オーディオロジー部
活動の特色
聴覚に関する医学・音響学・電子工学・心理学と、最新の教育的経験に基づいて、一人ひとりの「聴こえを」の可能性を最大限に伸ばします
聴覚や補聴器に関する学問を「オーディオロジー(Audiology)」といいます。
(近年、医学・電子工学の発展はめざましく、新生児から検査・診断を受け、早期から補聴器や人工内耳を利用して、聴覚を最大限に生かせる療育・教育の体制化が進んでいます。)
日本聾話学校学校は技術・専門スタッフによる「オーディオロジー部」を併設する日本で唯一のろう学校です。乳幼児からの聴力測定・補聴器の調整の充実、教室における赤外線補聴システムの使用、普通学校でジタルワイヤレス補聴システムを利用して、子どもたちの教育的支援の向上を目指した取り組みを続けています。
医療機関との連携を大切にし、一人ひとりの残された聴覚を最大限に生かすことに努めています。
教育現場のスタッフと協力し、乳児から丁寧な聴力測定を行い、また日常の観察を通して聴こえの状態を把握し、補聴器が常に最適な調整となるよう配慮しています。
幼稚部以上の教室やホールの騒音下等の音環境の中ではよりよく聴くことができるように独自に開発した赤外線補聴システムを利用しています。また、幼稚園交流や普通学校ではデジタルワイヤレス補聴システムを利用して、子どもたちが聴覚を最大限に活用するための音環境を整えることを目指しています。
提携医療機関
関東労災病院、北里大学病院、国際医療福祉大学 三田病院、国立成育医療研究センター、国立病院機構東京医療センター、埼玉小児医療センター、東海大学医学部附属病院、東京医科大学病院、東京大学医学部附属病院、虎ノ門病院 など
発達段階に合った聴力測定
インサートイヤホンを使用した乳幼児聴力測定
乳幼児聴力測定は最も大切なものの一つです。
音が聞こえると一方向のおもちゃが光ることを繰り返し条件付けさせます。やがて、聞こえると振り向くようになりますので、こんどは振り向いたら光らせることにより、聴こえを測定できるようになります。さらに「インサートイヤホン」という軽量のチューブ型イヤホンを用いることにより、左右別々に聴力測定ができます。早いケースでは生後6ヶ月から左右別の聴力測定が可能となりました。日本では本校がこの測定法をいち早く導入しました。補聴器のフィッティング
本校では最適な補聴器を用いることにより、聴力を最大限に生かすことができるように努めています。左右別の聴力測定と日々の観察から、一人びとりの子どもの「聴こえ」に合うように補聴器のフィッティングを行っています。ぴったりあったイヤーモールド(耳型)を
乳幼児聴力測定は最も大切なものの一つです。
補聴器をしっかり耳に装着し、適切に音を鼓膜に届けるためには、その子どもの耳にぴったりと合った「イヤモールド」が必要です。耳型の採取は、耳鼻科校医の指導のもとで行っています。毎朝の補聴器・人工内耳チェック
本校では、毎朝登校してくる子どもたちに補聴器・人工内耳のチェックをしています。補聴器や人工内耳が常に最善の状態で働いていることが、聴覚主導の人間教育を行ううえで重要だからです。電池があるか、イヤモールドは壊れていないか、補聴器の音がしっかり鳴っているか、人工内耳がしっかり働いているか、外耳や鼓膜に問題がないか、赤外線補聴システムがきちんと働いているか等々の確認を行っています。問題があればそれぞれ対応しています。例えば、外耳や鼓膜に問題があれば、耳鼻科で見てもらうよう保護者に手紙を書きます。補聴器や人工内耳、イヤモールドが壊れていれば、修理や貸し出しを用意するなどし、常に最善の聴こえを確保できるように対応しています。