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通園・通学するお母さんの声

0歳児のお母さんより (2022年3月)

 退院の前日、お医者さんが部屋にやってきて新生児聴覚スクリーニング検査がリファーだったことが告げられました。最初は何を言われているのか理解できませんでした。たくさんたくさん泣きました。妊娠中の自分の行動がいけなかったのではないかと自分を責めました。検査のたびに、もしかしたら大丈夫かもしれないと期待して、やっぱり聞こえてないとわかって泣きました。あの頃の自分に、「もう泣かなくていいよ、とっても素敵な世界が待ってるから」と伝えてあげたいです。ママは泣いてばかりいましたが、パパは違いました。「たとえ聴こえていなくたって、こんなに可愛いことには変わりないんだし、俺たちが育てていかなきゃいけないんだから、落ち込んでたってしょうがないじゃん!」と、パパの前向きさにすごく救われました。あぁ、そうか。我が子は、新しい世界を私たち家族に教えてくれるんだ。今まで知らなかった世界。そう思ったらワクワクして、これから広がる世界が楽しみになりました。

0歳児のお母さんより (2022年3月)

 生まれたのが連休期間だったため、新生児聴覚スクリーニングの実施が遅れ、結果は1か月検診の時に伝えられました。要再検査。簡易的な検査だったのでもう一度検査をしましょうと言われ、その時はそういうこともあるのかと単純に思いました。 しかし、1週間後に受けた再検査でも結果は変わらず、精密検査が出来る大学病院を紹介されました。そこではじめて、この子は耳が聞こえないのかもしれないと、私は理解しました。お兄ちゃんと我が子、二人の子どもを育てることに余裕が持てず、我が子の音への反応の鈍さに全く気が付いていなかったのです。母親として失格だと思いました。 大学病院の先生に改めて診察をしてもらい、精密検査の結果から両耳に重度の難聴があることがわかりました。頭の中が真っ白になるようでした。やはりそうだったとは思っても、改めて伝えられた事実に不安が募りました。それでもこの子と将来コミュニケーションを取るにはどうしたらいいのか、手話の勉強も必要かもしれない、落ち込んでいる場合ではないと自分を奮い立たせました。その後、補聴器を付け、ろう学校での支援を受けることでことばを使うことが出来るようになることを知りました。こちらの学校を見学した際、子どもたちの元気でにぎやかな様子に驚きました。歌や手遊びをしっかりと聞き、楽しんでいるのがわかり、我が子にもそうなってほしいと強く思い入園することを決めました。

0歳児のお母さんより (2022年3月)

 我が子が生まれて新生児聴覚スクリーニング検査でリファーと言われた日から、この子は本当に聞こえていないのだろうか、どのような世界で生きているのだろうかと考え不安になる日もありました。そんな中でも私たちの声や日常生活の音に少しでも反応を見せる我が子の姿には、いつも元気をもらっていたように感じます。私たち夫婦にとっては初めての育児。我が子の様々な反応はすべてが新鮮で嬉しく幸せなものでした。 4 ヵ月の時、病院で精密検査を受けて正式に療育を始めていくことが決まりました。それからライシャワ・クレーマ学園へ通うことを決め、私たちの新しい生活が始まりました。 6 ヵ月を迎え、初めて補聴器つけた時は驚いて固まっているようにも見え、聞こえてくる様々な音にじっと耳を傾けているようでした。補聴器のスイッチを入れた時には、びっくりしたのか母親に抱き着いてきたのは今でも鮮明に覚えています。それからは、初めこそ補聴器をつけている時 は表情が硬く、あまり声を発することがありませんでしたが、徐々に慣れてきてからは様々な声を出すようになり、表情も豊かになり、私たちの呼びかけへもよく振り向き声や表情をのせて反応 してくれるようになりました。また、今までは反応のなかったおもちゃの音にも反応するようになり、最近では朝補聴器をつけると同時に、まるで「おはよう」といっているかのように声を出すようにもなり、音の豊かな世界を楽しみ成長している姿に喜びを感じています。1 月に入ってからは個別やグループにも参加するようになり、最初は人見知りで母親から離れることができませんでしたが、1ヵ月ほど経つと徐々に慣れてきて、自ら周りの物やお友達に近づいていくようになりました。ライシャワ・クレーマ学園へ通うようになってまだ 1 ヵ月弱ですが、聞こえの面だけではなく、我が子自身の変化や成長を感じることが出来ています。これからも様々な音やコミュニケー ションを大切に、元気に成長していけるよう一緒に楽しんでいきたいと思います。

0歳児のお母さんより (2022年3月)

 ライシャワ・クレーマ学園に入園してからは、病院ではサポートしきれない日々の困ったことも気軽に相談させていただいています。個別では些細な我が子の変化にも気づいて褒めてくださり、一緒に成長を見守っていただき本当に心強く思っています。また、初めての育児でわからない点も多いのですが、新入者講義では、親の心構えについて聴覚の障がいの有無に限らずに育児について深く学ばせていただくことが多いです。我が子はこの世に生まれてから慌ただしい日々でしたが、先生方に見守られたこの環境に巡り合うことができて感謝しています。これからも我が子の成長が楽しみです。

0歳児のお母さんより (2022年3月)

 ライシャワ・クレーマ学園での生活は、私たち家族にとってとても大切な学びと刺激 に満ちています。先生方の明るく優しい声掛けや、オーディオロジー部の先生方の心強いサポート、たくさんのお友だち、そのご家族との交流。その中で、家では見られないわが子の一面や、我が子との関わり方へのアドバイスや気付きなど、まだ短い期間ながら、たくさんの大切なものを授けていただきました。我が子の本心はまだわかりませんが、母である私はライシャワ・クレーマ学園が身近にあって本当によかったと思います。難聴児との向き合い方を学べることはもちろんですが、感染症の状況もありなかなか外出も気軽にはできない中、ライシャワ・クレーマ学園というもうひとつの居場所があることは、私たち親子の心にも空間にも未来にも、大きな広がりと勇気を与えてくれるものだと強く感じます。今日も我が子が呼びかけに振り向いたり、「まんぱ」や「ぼばば」などと喋れば嬉しく思います。その度に「きゃあ○○ちゃんすっごぉい天才」とテンションが上がります。しかしすぐに、お母さんうざい、と煙たがられるのだろう。そうして我が子が巣立っていくまでのほんの二十年ほどの間(しかもその二十分の一がもう終わってしまったのだ。びっくりした)に、親としてなにができるのか。全然よくわかりませんが、周囲の力をたくさん借りて、たくさん聞いて、たくさん喋って、たくさん 遊んで、楽しい時間を一緒に過ごしていきたいと思います。

1歳児のお母さんより (2022年3月)

 一番嬉しかった事は補聴器が我が子の一部になってきたことです。以前は耳から外して電池を取って遊んだり、つけるのを嫌がる事が多々ありました。しかし、最近では朝起きると補聴器をつけてほしいとアピールしてきて、一日中ほぼ外すことなくつけれるようになりました。 先日2歳の誕生日を迎え、日常生活の中で出来る事が増えてきました。苦戦していた食事も少しずつではありますが、出されたものを全部食べてくれる日が増え、スプーン・フォークの使い方も上手になってきました。トイレトレーニングもゆるくスタートし、便座に座れるようになりました。ことばの面では、親や先生が聞いてわかる発語はたくさんあり、新しいことばも一生懸命聴いて真似て言おうとするようになりました。要求や気持ちを我が子なりのことばで伝えてくる事も増え、「うん」のような相槌を打つようにもなったので会話しているみたいで楽しいです。こちらが話しかけたり質問をすると、良くも悪くも自己主張が出てきて少し困ってしまう事もありますが、これもまた成長だなと感じます。

1歳児のお母さんより (2022年3月)

 朝出かける時にマスクをしていなかった私に「ママ!マスク!」と細かい事にも気がつくようになり、色々な事に興味津々で生活音や外の音にもよく反応するので次第に絵や写真と実物が 結びついたり、行動と言ことばも結びついてくるようにもなりました。 何を喋っているか分からない時もありますが、その時の状況や聞き取れる単語から我が子の伝えたい事が分かる事も多く、ことばで意思疎通ができるようになった事は嬉しい成長です。 歌も大好きで小さい頃から繰り返し歌っていた歌を最近は鼻歌のように楽しそうに歌います。まだ発音がはっきりしないことばの方が多いけれど、リズムと所々分かる単語で何の歌を歌っているのか分かるので一緒に歌うと、とても嬉しそうに笑います。私は幼少当時から歌が苦手で、鼻歌など全く歌えなかったのでそんな我が子を見ていると人工内耳ってすごいな、と思います。 自分の思い通りにいかないと、かんしゃくを起こしたり、食事に集中しなかったり、トイトレなど、まだまだ課題は多いですが、食事の面では夕飯の支度をする時に、我が子に出来る事を手伝って貰うようにしてから徐々に食べる事に興味を持ち始め、なかなか増えなかった体重がやっと増えてきました。2歳児からお友達と食事する機会があると聞いているので感染の状況次第だと思いますが、出来るだけたくさん刺激を貰えるといいなと思います。学校が大好きな我が子。普段やんちゃな我が子ですが、ライシャワ・クレーマ学園ではお友達をよく見て「すごーい!」と褒めてあげたり、泣いている子を心配して撫でたり、遊具を譲ったり、お兄さんらしい面が見られるようになりました。担当の先生はじめ、お世話になっている先生方、我が子に声をかけてくださるお母様方、皆様に本当に感謝しています。

1歳児のお母さんより (2022年3月)

体力的にも精神的にも、出来る事や感じる事の幅が増えていき、多くの成長を見せてくれた 1 年でした。特に他者への関心が強くなったように感じます。お友達の行動が気になったり真似をしてみたり、自分からお友達の話を始めたりと、我が子の中で世界が広がってきているなぁと感じることのできる 1 年でもありました。 何よりライシャワ・クレーマ学園に行く事が楽しいと思っており、学園に行く日の朝は「パパは会社に行く係、○○は学校に行く係ね」と説明しており、学園の空間が自分の居場所の一つになっています。1 歳の間は、家ではない場所として感じている様子で、じっとしていたり静かにしていたりといつも少し緊張気味の様子が伺えたのですが、2 歳になった頃から個別の時間では、個性の発揮が見られるようになりました。先生の前でも家いる時と同じような行動や表情が見られるようになり、我が子自身も先生にとても信頼を寄せているなぁと感じています。いつも子どもにも親にも安心できる場所になっています。

1歳児のお母さんより (2022年3月)

 あんなに小さかった我が子もライシャワ・クレーマ学園を終了する時が近づいてきました。学園に着けば自分で荷物を持ち、上履きを履き替え一人で出来る事が増えていきました。赤ちゃんの頃は嫌がっていたお耳のチェックも自分から椅子に座ってチェックを受けられ、終われば自分で人工内耳をつけることが出来るようになりました。この2年、コロナ禍であったこともあるけれど、弟の誕生もあり十分に手をかけられたか不安に思うこともありました。もっとしてあげられたこともあったかもしれないと思うこともありました。弟を連れての個別で弟が気になって集中してないと思うこともあったけれど、それは日常になり、気にかけながらも自分の するべきことは出来るようになりました。オンラインのグループでも画面の前にずっといることが出来なかったのが、画面越しでも先生の声をちゃんと聴き、集中している姿に成長を感じました。学園でのグループでも流れをよく理解し、お友達を気にかける姿が見られるようになりました。限られた活動の中でも大きく成長している姿に心配などいらぬものだったと思わせてくれます。 姉と一緒に人工内耳の手術を乗り越え、絆も深まった感じがしています。姉の後を追い、走り回ったり、歌を歌ったり、私たちが姉にしてあげていたことを、今度は姉から我が子にしてあげている姿はとても微笑ましかったです。弟の成長とともに衝突することが増えてきたけれど、寝ていたら布団をかけてあげたり、お風呂で髪を洗ってあげたり、お兄ちゃんらしい姿も見られるようになりました。ことばの成長もとても感じられた一年でした。ことばを真似て、覚えてどんどん語彙を増やし、2語文、3語文も増え、真似して言っていたことばは、自分のものとなって、返事が返ってくるようになってきました。文字も覚えてきて、まだ本人ははっきりと発音できていない音もちゃんと聴き分けているのがよくわかりました。赤ちゃんの頃、姉に「かわいすぎる」と言われていた声は「大きくて、うるさい」と言われるようになりました。確かに大きくて困ることもあるけれど、うれしい成長だと感じます。そして笑顔がとっても素敵な我が子。この笑顔がさらに 輝けるようにこれからも支えていきたいと思います。これまで長い間、我々家族を支えてくださった先生方には感謝しかありません。 ライシャワ・クレーマ学園からは卒業しますが、今後も見守っていただけたら幸いです。最後に一日で も早く以前のような活動が戻ることを祈っています。

2歳児のお母さんより (2022年3月)

入学当初の 3 月の日記を見返して見ると人工内耳の装用時間がほとんどなく細切れで 1 時間。ポニーテールにして髪の毛に引っ掛けたり、ヘアーバンドで抑えて着けたり工夫した事が書いてありました。当時は娘も他の子みたいにずっと着けてくれるようになるのかな、話せるようになるのかな、グループで座っていられるかなとすごく心配でした。ですが、いつのまにか着けることが当たり前になり、朝も「着けてー。」と言って持って来ます。お風呂の時や寝る時は自分で取って、電池が無くなって聞こえなくなったら教えてくれるようになりました。手術をした時はママって言って欲しいな、意思疎通できるようになるかなと思っていましたが、今では言える単語も増え、理解語はもっと増えました。
1歳児グループ の時はオンラインが多かったこともあるのですが、2 歳児になってから特にお友達と一緒に遊ぶ、順番こ、遊んだらお片付け、などことばだけではなく人間性がすごく育ったと実感しました。まだずっと座ってお話を聞いたり、お歌を歌ったりはできないのですが、自分の好きな絵本やお歌だと前のめりで参加したりと、座ってる時間が少しずつ増えて来ました。『赤い帽子』や『餅つきぺったん』『おたまじゃくし』など、好きなお歌は季節に関係なく車でも家でも外でもたくさん歌っています。日に日に音が合うようになってきていると思いました。先生やお友達のおかげで学園が大好きで、カレンダー見ながら「明日学園だね。」とお話をしてから、寝る前には、「寝たら朝 1 番に学校」と言って布団に入ります。冬休みなどの長期休みの時は、カレンダー見ながら学園がお休みで、行けないことにがっかりしていました。
ライシャワ・クレーマ学園に通いだしてから私自身、娘の良いところ、お友達の良いところに目がいくようになったと思います。娘が幼稚部に上がってたくさんのお姉さんやお兄さんと関わると思いますが、人の悪いところを見るんじゃなくて良いところを見て吸収してくれるといいなと思います。

2歳児のお母さんより (2022年3月)

あんなに小さかった我が子もライシャワ・クレーマ学園を終了する時が近づいてきました。学園に着けば自分で荷物を持ち、上履きを履き替え一人で出来る事が増えていきました。赤ちゃんの頃は嫌がっていたお耳のチェックも自分から椅子に座ってチェックを受けられ、終われば自分で人工内耳をつけることが出来るようになりました。この2年、コロナ禍であしたが、弟の誕生もあり十分に手をかけられたか不安に思うこともありました。もっとしてあげられたこともあったかもしれないと思うこともありました。弟を連れての個別で弟が気になって集中してないと思うこともありましたが、それは日常になり、気にかけながらも自分のするべきことは出来るようになりました。オンラインのグループでも画面の前にずっといることが出来なかったのが、画面越しでも先生の声をちゃんと聴き、集中している姿に成長を感じました。学園でのグループでも流れをよく理解し、お友達を気にかける姿が見られるようになりました。限られた活動の中でも大きく成長している姿に心配などいらぬものだったと思わせてくれます。 姉と一緒に人工内耳の手術を乗り越え、絆も深まった感じがしています。姉の後を追い、走り回ったり、歌を歌ったり、私たちが姉にしてあげていたことを、今度は姉から○○にしてあげている姿はとても微笑ましかったです。弟の成長と ともに衝突することが増えてきましたが、寝ていたら布団をかけてあげたり、お風呂で髪を洗ってあげたり、お兄ちゃんらしい姿も見られるようになりました。 ことばの成長もとても感じられた一年でした。ことばを真似て、覚えてどんどん語彙を増やし、2語文、3語文も増え、真似して言っていたことばは、自分のものとなって、返事が返ってくるようになってきました。文字も覚えてきて、まだ本人ははっきりと発音できていない音もちゃんと聴き分けているのがよくわかりました。赤ちゃんの頃、姉に「かわいすぎる」と言われていた声は「大きくて、うるさい」と言われるようになりました。確かに大きくて困ることもありますが、嬉しい成長だと感じています。そして笑顔がとっても素敵な我が子。この笑顔がさらに輝けるようにこれからも支えていきたいと思います。これまで長い間、我々家族を支えてくださった先生方には感謝しかありません。ライシャワ・クレーマ学園からは卒業しますが、今後も見守っていただけたら幸いです。最後に一日でも早く以前のようなライシャワ・クレーマ学園の活動が戻ることを祈っています。

幼稚部のお母さんより

 我が子は生後5ヶ月でRK学園に入学し補聴器を装用しました。その後2回の手術を経て両耳人工内耳となりました。この学校に入り、難聴児の育児に悩んだ時や手術など様々な節目ではいつも先生方が寄り添い、私たち家族を受け止めて下さいました。その度に私たちは前向きに明るく進んでこれたのだなと思います。聴力の重たい我が子が音に反応し、やがて声を出すようになり、今では兄弟ゲンカをしたり、お友だち同士で会話もするようになりました。小さな成長の積み重ねを一つ一つ学校の先生方に受け止めてもらい濃密な毎日を過ごさせてもらっているおかげです。我が子の難聴が判明した時の衝撃は忘れることは出来ません。でも、そのおかげでこの学校の先生や他のご家族との出会いがあり育児を密に楽しむことが出来ています。毎日感謝でいっぱいです!

小学部低学年のお母さんより

 息子が難聴と診断されたのは1歳半の時で、その頃はまさか言葉で会話できる日が来るなんて想像もできませんでした。
乳幼児部(ライシャワ・クレーマ学園)に入ってからはまだ言葉を発しない息子に必死に話しかけ、「私だけしゃべって何をしているんだろう。」と心が折れそうになりながらも学校の先生方を信じ「楽しみながら言葉を覚えていく」ことを守り育ててきたつもりです。
日本聾話学校に通い始めて8年・・・ 独り言のようだった私の会話に今は息子が返答してくれます。
 この学校には子どもたちが発することば一つ一つに丁寧に寄り添って下さる先生方がいます。
自分の言葉を受けとめて返してくれる喜びを知った息子は、つい親が「うるさ~い!」と言ってしまうほど、今日も楽しそうに会話しています。
親子共に支えてくださる学校に感謝する日々です。

小学部高学年と中学部のお母さんより

 子どもたちは難聴のため目覚まし時計が聞こえないので、朝自分から起きるのは苦手です。寝ぼけまなこで人工内耳をつけたときから、音が入ると目がはっきり目覚め、にぎやかな一日が始まります。学校へ元気に出発すると安心し、帰宅する「ただいま」の声色で何かあったかな?と感じます。寝る瞬間まで人工内耳をつけていたいので、ずっと音を聞いていたいんだなと思います。
 子どもが幼いころは言葉が出なかったり発音がはっきりしなかったりと子どもの気持ちがわからずもどかしい時期もありました。でも、一緒に寄り添っているうちに、子どもが伝えたい、話したいという気持ちがあふれてきて、ひとつづつ分かり合えた喜びの積み重ねは宝物です。
 「あんがと(ありがとう)」「だーぶ?(だいじょうぶ?)」「ママ」と呼んでくれたのは健聴の子よりもずいぶん遅かったですが、子どもから発した言葉が理解できたあの瞬間は、今でも胸が熱くなります。
「子どもたちを信じて、あせらないで、待ちましょう」不安でいっぱいの保護者たちを先生たちは話をよく聞いてくださり、一緒に成長を喜んでくれます。
 毎朝必ず行われる補聴器チェックでは、子どもと会話しながら補聴器や人工内耳の動作チェックがあり、電池の残量や耳の状態を観察してくださいます。加えて定期的な聴力検査やイヤーモールドの作成や修正、学習では赤外線補聴システムなどによって、確実にきれいな音が子どもたちに届くように整った環境です。
 一学年の人数も少ないので、お互いの話を聞きあえる、助け合いながら過ごしています。幼稚部から中学部まで異年齢の子どもたちがみんなで遊べてとくに昼休みはにぎやかです。賛美歌を始め、季節の歌も日常のなかで聞こえてきます。音程やリズムは外れることもありますが、気持ちよくみんなと合わせて歌う姿がとても好きです。困ったことがあると、いつでも快く相談に乗ってくださる先生方や一緒に過ごしてきた保護者の方々、ここでの出会いこそが宝物だと思います。

小学部高学年のお母さんより

日本聾話学校に通って
 初めて日本聾話学校を見学し、子どもたちが楽しそうにお喋りをしたり歌を歌う様子に大変驚き、息子とすぐにここに通いたいとその日に入学を決めて通学し始めてから10年が経ちます。生後ほどなく補聴器では対応が難しいほどの重度難聴が判明し、この子の口から言葉が出ることは一生ないのだろうかと思い悩んでいた私にとってその光景は衝撃的でした。まさに一筋の光が見え、歩むべき方向が見えたことをまざまざと思い出します。
 そしていま、人工内耳を使いこなし、うるさいくらいによく喋るまでに成長した息子はなによりも学校と先生、お友達が大好きです。もちろん健聴の子の育児とは異なる苦労もありましたが、先生方や同じ悩みを持つ保護者の方々に温かく支えられながらここまできました。育児とは、子どもとの感情の共有や思考や文化の継承でもあるということ、その根本にあるのは親子の母語による会話、対話の積み重ねであることを改めて感じています。10年前の日本聾話学校との出逢い、先生方との出逢いに感謝する日々です。

イメージ:通園・通学するお母さんの声
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